氣新茶
氣という漢字は1940年代の漢字教育の見直しで、「気」という文字に置き換えられました。本来は米という漢字を用いて、八方に広がっていくエネルギーを示していました。人間の心身では、この氣は、呼吸と食事、つまり肺と胃腸(おもに小腸)でつくられています。氣が弱い気虚という状態になると、声が小さくなったり、食欲が落ちたりします。
人によって、体質はさまざまなので、気虚の状態が呼吸に出る人と、胃腸系に出る人がいます。
氣新茶は、主に胃腸系の気虚に効果があり、脂や湿気による腸の汚れである痰濁をきれいにする効果もあります。胃腸炎や上気道炎などは、脂に包まれて移動するウイルスの感染によって、痰濁と呼ばれる状態の舌になり、膩苔(じたい)と呼ばれる厚い苔として観察することができます。SARS、MARS、COVID-19というコロナウイルス感染では、下痢などの胃腸障害を認める方の舌にはこの膩苔が観察されます。
氣新茶を服すことによって、日頃から腸の状態を整えておくと、普段から気は八方へと広がり氣となり、日々新しい氣がつくられることになり、こころもからだも、スイスイと動くようになるのです。
ただし、注意が必要なのは、イライラしているときです。イライラしているときは、気の流れる方向が悪くなっていて、悪い気の流れのときは、世の中の汚い音や言葉、人の悪口や不正、自分自身の悪い部分、といった自分にとって「悪いもの」へと気が向いてしまいます。そのときは、清心茶などの気の流れを整える「肝」の状態をまずよくすることが大切です。気の向かう方向が悪いままに気の量を増やしてしまうと、その方向が悪いままに気を増幅させ、イライラが強くなってしまうことが稀にあります。その場合は、連用することを控えて肝を調整する自整茶「清心茶」や、エキス製剤では、35四逆散、ほてりを弱める24加味逍遥散、12柴胡加竜骨牡蛎湯、54抑肝散などの漢方を併用してください。また、陰虚火旺の状態でも、燃え上がる陽の火を増長して、ほてりや多汗、めまいなどが生じることがあります。人類茶と併用することで、その作用が増強してしまうこともありますので、イライラの感情や、熱の症状が出てしまう方は、連用をお控えください。ただし、自整茶での副作用の発現率は1%未満であり、連用を控えることで副作用も改善されることがほとんどです。
<構成生薬>
黄耆(オウギ)・陳皮(チンピ)・山楂子(サンザシ)・藿香(カッコウ)・蘇葉(ソヨウ)・薄荷(ハッカ)・香附子(コウブシ)
気新茶をおすすめしたい方
・食欲不振の方
・気力が足りない方
・軟便や便秘の方
・イライラよりも倦怠感が強い方
・食後にすぐ眠くなってしまう方
*こちらの漢方は医薬品のため、お求め希望の場合は医師の診察が必要です。「ご利用ガイド」をお読みになり、お手続きをお願いいたします。