薄荷(ハッカ)

 

[基原]

シソ科(Labiatae)ハッカ(Mentha arvensis Linné var. piperascens Malinvaud の地上部

産地:河南省、江蘇省



[異名別名]

薄荷(ハッカ)、薄荷葉(ハッカヨウ)



[選品]

太い茎根をできるだけ除き、葉は多く緑色で香気が強く新鮮で、味は辛涼。良く乾燥したものを良品とする。

貯蔵:精油の揮散を防ぐため、低温の場所で気密保存するのが望ましい。



[成分]

精油(ℓ-メントール、ℓ-メントン、カンフェン)、配糖体(ℓ-メントール-β-D-グルコシド)など



[薬理]

抽出物:鎮痛
精油:血管拡張、皮膚刺激、鎮痙
メントール:局所刺激、局所麻酔、鎮痙、利胆、駆虫



[効能主治]

性味:辛、涼
帰経:肺、肝
効能:感冒による咽喉腫痛を治す、頭部のうっ滞した気を除き、頭痛を治す、口中の不快感を除く
主治:感冒による頭痛、目の充血、咽喉腫痛、消化不全による腹部膨満感、口内炎、歯痛、湿疹



[引用文献]

本草綱目:咽喉、口歯の諸病を利し、瘰癧(ルイレキ)、疥(ソウカイ)、風瘙(フウソウ)、𤺋(インシン)を治す

本草綱目(李杲曰 リコウイワク):頭目を清し、風熱を除く

 


◯現代における運用のポイント◯

辛涼発表作用

温病(ウンビョウ)性の感冒の初期に用い、軽い発汗により感冒を治す

透疹作用

はしか・じんましんなど発斑が十分でないものに用い、発斑を促し、病の収束を早める

鎮痛作用

かぜやのぼせなどによって起こる頭痛や咽喉痛などに用い、熱を下げ痛みを止める

 


[配合処方]

加減涼膈散(浅田)、加減涼膈散(龔延腎) 、加味逍遙散加川苓地黄(加味逍遙散合四物湯)、響声破笛丸、芥連翹湯、荊防敗毒散、柴胡清肝湯(散)、滋陰至宝湯、逍遙散(八味逍遙散)、清上防風湯、洗肝明目湯、川芎茶調散、防風通聖散

 


【備考】

産地:

日本でもごくわずか生産されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献:「漢方294処方生薬解説」(じほう)