感冒セット*(閲覧専用ページ)
西洋医学には、ウイルス性の感冒に関する薬、つまり「かぜ薬」がありません。それに対し、漢方医学では、優秀な漢方薬がたくさんあります。
「風邪をひいたらうつさないように家でじっとする」ということは、すべての感染症の鉄則です。病院に行くほど、医療スタッフの感染リスクもあがるので、最初の3日は自分で治療をしましょう。解熱したら咳などの症状があるうち、あるいは解熱後5日間は、人との接触を避けてください。
3日経っても、改善がない場合は、他の病気の可能性もあるので、病院へ行きましょう。
逆に最初の3日は、解熱剤(免疫抑制剤)ぐらいしか西洋医学にはありません。
コロナの流行で、初期治療の不安を抱える方も多いので、当院では「感冒セット」をご用意しました。
◯ 風邪をひかないように
風邪(感冒)を予防する方法は、玉屏風散(ギョクヘイフウサン)と天体リズムに合わせた早い就寝と就寝時のテーピングです。
それでも風邪をひいてしまったら。。。
風邪はまず、寒気があるかないかで漢方薬の使用法が違います。
寒気が少しでもある場合には、「1葛根湯」を気軽に内服しましょう。葛根湯のポイントは、風邪の初期だけ使うことです。長引いた感冒では、津液(シンエキ)という体内の水分を失わせてしまうので、長期連用は控えてください(長くて2、3日)。
葛根湯より強いのが、「27麻黄湯」です。麻黄湯は葛根湯よりも強いので、身震いするような寒さがある場合は、感冒初期に汗をかくまでつかいましょう(長くて1日3回まで)。
葛根湯も麻黄湯も、汗をかかせる薬です。汗をかくと、寒気がおさまるので、その後は出番がありません。葛根湯は2000年前の薬です。
また、入浴は体力を消耗するので、高齢者や一般的な感冒の際(特に中期以降)は推奨できませんが、まだ体力のある感冒初期で、寒気がある場合(お風呂に入りたい!と思う場合)は、熱めのお湯に、体の中心まで温めて、短めの時間で出るようにしましょう。
感冒時の発熱は、ウイルスを倒すために人間の免疫細胞が必死に出しているものです。
入浴前に葛根湯を2袋飲んで、体温を40度近くまであげて、汗をダァーッとかくと、寒気がなくなり、感冒が治癒の方向へ向かいます。汗をかききらずに、寒気が持続している場合は、入浴後すぐに1〜2時間程度布団にくるまって、汗を徹底的にかきましょう。
寒気があるにせよ、ないにせよ、とりあえず感冒やアレルギーには銀翹散です。
特に、のどの痛みや、鼻炎などのアレルギーや感冒に奏功します。風邪の初期〜中期にかけて使用する薬です。寒気があれば、葛根湯とともに用いるのがおすすめです。
感冒初期は、玉屏風散と銀翹散を併用して、寒気があればそこに葛根湯を加えます。
この薬は200年前ぐらいにできた比較的新しい名処方なのですが、日本の鎖国中のため、日本では保険適応がありませんが、飽食の時代の薬です。中国でもっとも売れているかぜ薬です。一般販売されている銀翹散は、エキス製剤ですが、本来は生薬を粉にしたものが「ホンモノ」です。当院では、銀翹散のホンモノを作成しました。
③ 双黄連
もともとは帯状疱疹ヘルペスウイルスに対する漢方薬ですが、中国科学院がコロナに効く!ということを発表し、2日間で中国全土からなくなったという噂の漢方薬です。COVID-19(とくに夏のデルタ株)の重症化には、湿熱という動物性タンパクの過剰摂取や、ストレス・遅い睡眠などが関与しています。
過剰な免疫応答によるもので、サイトカインストームという状態が起こります。双黄連はそれを防ぐ煎じ薬です。発熱がひかない場合には、双黄連を30分程度ぐつぐつ煮込んで内服すれば、熱がスーッとひいてくれます。お子さまの内服も可能です。
玉屏風散は感冒回復の補気剤としても用いれるので、感冒予防・初期・回復期とずっと内服のできる漢方薬です。
これらは一家に常備しておくと良いと思います。
使用期限は、冷蔵庫内であれば半年〜1、2年もちます。漢方薬は冷蔵庫のない時代の医学です。
<内容一覧>
玉屏風散:5日分(15袋)
ツムラ葛根湯:2日分(6袋)
ツムラ麻黄湯:1回分
銀翹散:2日分(6袋)
双黄連:2日分(2袋)
[関連解説]
つゆくさ医院
「新型コロナおよびその他感冒初期対応」