枸杞子(クコシ)

[基原]

ナス科(Solanaceae)クコ Lycium chinense Miller または L. barbarum Linné の果実

 

産地:寧夏、甘粛省、新、内蒙古、西省、青海省、河北省、山西省、山東省、韓国、北朝鮮など



[異名別名]

西枸杞(セイクコ)(寧夏枸杞(ネイカクコ)、寧夏杞子(ネイカコシ)、甘枸杞(カンクコ)、甘杞子(カンコシ))、枸杞(シンクコ)(枸杞(ケツクコ)、杞(ケツコ)、杞子(ケツコシ))、明目子(メイモクシ)、津血杞(シンケツコ)、枸杞(クコ)、起子(クコシ)、甜菜子(テンサイシ)、紅耳墜(コウジツイ)、血枸子(ケックシ)、枸杞豆(クコズ)

 


[選品]

果肉が厚く充実し、粒が大きく、赤色を呈し変色変質がなく、柔潤で、種が少ないものが良品である。赤色鮮やかなものは概ね硫黄燻蒸しているものが多いので注意が必要である

 

貯蔵:本品は湿気を吸いやすく吸湿すると黒く変色するので、密閉容器で保管するか、低温除湿倉庫で保管するのがよい

 

 

[成分]

カロテノイド:ゼアキサンチン、フィサリエンなど

その他:ベタイン、リノレン酸、β-シトステロールなど

 


[薬理]

抽出液:抗脂肪肝、降圧

抽出物:抗動脈硬化、副交感神経遮断

 

 

[効能主治]

性味:甘、平

帰経:肝、腎、肺

効能:肝を養う、腎を滋養する、肺を潤す

主治:肝腎の不足、めまい、目がみえにくいもの、腰膝がだるく力が入らないもの、インポテンツ、遺精、虚労による咳嗽、消渇で水を多く飲むもの

 

 

[引用文献]

本草綱目:腎を滋し、肺を潤ほす。 油を搾つて燈に點ずれば目を明(アキラカ)にする

 

 

◯現代における運用のポイント◯

明目作用

肝を補い、目を栄養して目を明らかにする。

滋養強壮作用

肝腎を補い、滋養強壮する。併せて虚労による咳を治す。

 

 

【備考】

基原:

1.30年ほど前は韓国、北朝鮮などのクコ(L. chinense Miller を基原植物とするもの)が国内市場品の主流であったが、現在は中国の栽培品のナガバクコ(L.  barbarum Linné を基原植物とするもの)が主流である。

 

2.中国では、流通において、大きく西枸杞と津枸杞の2種の区分があり、等級などもおのおので分かれている。西枸杞は、寧夏枸杞とも呼ばれ、寧夏、甘粛省、内蒙古、新疆、陝西省、青海省などに産する。粒が大きく、肉厚で糖質が多く、種が少なく、味が甘く良品とされている。

 津枸杞は、血枸杞とも呼ばれ、河北省、山西省、天津、山東省などに産する。糖質は西枸杞よりも少ないが、色が鮮やかで、味が甘くわずかに酸味があるのが特徴である。

 文献によっては、西枸杞に寧夏枸杞(ナガバクコ L. barubarumi)、津枸杞に枸杞(クコ L. chinense)を当てるものもあるが、現在は、ナガバクコが主流であり、基原植物による区分はでないと考えられる。

 

選品:

中国では枸杞子は医薬品としてではなく、食品として流通することが多く、果物の様に甘く、果肉の多い品種に選別されてきた。薬用として使用する枸杞子は韓国産、北朝鮮産の様に種が多く、中国産と比べて果肉の薄いものが良品とする考えもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献:「漢方294処方生薬解説」(じほう)