紅花(コウカ)

[基原]

キク科(Compositae)ベニバナ Carthamus tinctorius Linné の管状花をそのまままたは黄色色素の大部分を除いたもので、ときに圧搾して板状としたもの

産地:甘粛省、四川省、河南省、新疆



[異名別名]

紅藍花(コウランカ)、刺紅花(シコウカ)、草紅花(ソウコウカ)、ベニバナ



[選品]

形が大きく、紅色が鮮やかで黄色の部分が少なく、香りが良く、質は粗雑でなく柔軟でしっとりとしており、茎を含まず、異物の混入のないものを良品とする

貯蔵:乾燥した通気性の良いところに保管する。また、光に当たると変色が早いので日本薬局方では、遮光した密閉容器に保管するよう規定している



[成分]

色素(カータミン、サフロールイエロー)、脂肪油、リグナン、フラボノイド、ステロール類など



[薬理]

抽出液:血小板凝集抑制(アデノシンの作用)、血管拡張、マクロファージ活性化、動脈血流量増加



[効能主治]

性味:辛、温

帰経:心、肺

効能:血流を良くし月経を通じる、瘀血を除き止痛する。外用では浴剤として血行を促進し、冷えを除く

主治:無月経、癥瘕(チョウカ)、難産、死産、後産の下りないもの、瘀血による痛み、化膿性の腫れ物、打撲傷



[引用文献]

本草綱目:血を活し、燥を潤し、痛を止め、腫を散じ、経を通ずる

 

 

【備考】

配合処方:外用では洗眼剤である蒸眼一方に紅花が配合されている。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献:「漢方294処方生薬解説」(じほう)