金銀花(キンギンカ)
[基原]
スイカズラ科(Caprifoliaceae)スイカズラ Lonicera japonica Thunbergのつぼみ
産地:山東省、河南省
[異名別名]
忍冬花(ニンドウカ)、銀花(ギンカ)、金花(キンカ)、金藤花(キントウカ)、双花(ソウカ)
[選品]
開花したものが少なく、全体には褐色味がなく黄白色のもので、花弁の先端が黄褐色で基部が赤褐色を呈し、肥大しよく乾いたものが良品とされる。香気の良い、新しいもの、葉が混入していないものが良い。江南省産は山東省産に比べ、良質とされている。
貯蔵:古くなると変色し香りが低下する。また、虫害の恐れがあるため低音で湿度の低い場所に気密保存するのが望ましい。
[成分]
フラボノイド(ルテオリン)、イノシトール、ロウ質(セリルアルコール、フィトステロール)、ロニセリン、タンニンなど
[薬理]
抽出液:抗潰瘍、抗菌、抗真菌、収れん、コレステロールの腸管呼吸を抑制
[効能主治]
性味:甘、寒
帰経:肺、胃
効能:清熱し炎症を鎮める
主治:温病による発熱、熱性の血便・下痢、各種熱性のできもの、るいれき、痔瘻
[引用文献]
滇南本草:清熱し、諸瘡(ショソウ)を解し、癰疽(ヨウソ)背に発するもの、無名の腫毒、丹瘤(タンリュウ)、瘰癧(ルイレキ)を治す
◯現代における運用のポイント◯
清熱作用
温病性の感冒の初期に用い、解熱する
止瀉作用
湿熱性の下痢に用い、腸の炎症を鎮め、併せて下痢を治す
消炎・解毒作用
熱性の咽痛・乳腺炎・各種できもの・潰瘍などに用い、炎症を鎮める
[配合処方]
荊防敗毒散、五物解毒散、千金内托散
【備考】
基原:
スイカズラの葉および茎は忍冬(ニンドウ)と言い、生薬として用いられる。
参考文献:「漢方294処方生薬解説」(じほう)