何首烏(カシュウ)
[基原]
タデ科(Polygonaceae)ツルドクダミ Polygonum multiflorum Thunberg の塊根で、しばしば輪切される
産地:広東省、広西、湖南省、貴州省
[異名別名]
首烏(シュウ)、白何首烏(ハクカシュウ)
[選品]
塊が肥大し、堅実で質が重く、紅褐色で、内部に花紋があるものを良品とする。
[成分]
アントラキノン類、スチルベン配糖体(1.2%以上)
[薬理]
抽出液:腸管運動を促進、神経系興奮、疲労した心臓に対する強心作用、抗菌
アントラキノン:クロナキシーを低下、神経系興奮
[効能主治]
性味:苦甘渋、微温
帰経:肺、腎
効能:肝を補う、腎気を補い増血する、緩下作用を有す
主治:若白髪、貧血によるめまい、腰膝の弱まり、筋骨のだるい痛み、遺精、大量の子宮出血、長引く帯下、慢性マラリア、慢性肝炎、できもの、るいれき、痔疾、軽度の便秘
[引用文献]
本草綱目:血を養い肝を益し、精を固め腎を益し、筋骨を健やかにし、髭髪(シハツ)を黒くし、滋補の良薬である
【備考】
生薬名:〈何首烏の名前の由来〉
中国の何(カ)という名前の者が本薬を服し、首から上(頭髪)がカラスのように黒くなったという伝説から名づけられた。
参考文献:「漢方294処方生薬解説」(じほう)