藿香(カッコウ)
[基原]
シソ科(Labiatae)Pogostemon cablin Bentham の地上部。
産地:広東省、インドネシア
[異名別名]
広藿香(コウカッコウ)、川藿香(センカッコウ)、土藿香(ドカッコウ)
[選品]
茎が太く堅く、断面が緑色を帯び、葉は厚く柔軟で、香気が強いものが良い。
貯蔵:香気を保つため、気密保存するのが望ましい
[成分]
精油(パチョリアルコール)など
[薬理]
抽出液:抗真菌、胃液分泌促進
[効能主治]
性味:辛、微温
帰経:肺、脾、胃
効能:胃腸系を調え気の流通を良くする、疫病の予防と治療、湿を除く
主治:暑中多湿時の感冒、寒邪による発熱、頭痛、胸脘部が痞(ツカ)えて悶えるもの、嘔吐、下痢、マラリア、口臭。一般にかぜが胃腸系に入り吐瀉するものを治す
[引用文献]
名医別録:風水毒腫を療す。悪気を去り、霍乱(カクラン)、心痛を療す
本草図経:脾胃、吐逆を治するに最要の薬となす
◯現代における運用のポイント◯
去湿健胃作用
胃腸の湿邪を除き、胃腸機能を回復させ、下痢・腹部膨満感・嘔吐などを治す。
[配合処方]
藿香正気散、香砂平胃散、香砂六君子湯、銭氏白朮散、丁香柿蒂湯、八解散、不換金正気散
【備考】
基原:
薬用には主に中国産の広藿香 P. cablin (Blanco) Bentham が用いられる。インドネシアでは藿香は薬用に用いられるのではなく、多くはパチョリ油などの薫香関係に用いられる。
参考文献:「漢方294処方生薬解説」(じほう)