副作用について
漢方薬も「薬」であるため副作用があります。副作用と思われる症状が続く場合は、一度内服を中断してください。瞑眩(めんげん)と呼ばれる好転反応のこともあります。副作用のない「薬」は、「薬」ではありません。
漢方薬はゆっくり効く。ということがよく言われますが、驚くほど早く(早いものでは15分~30分ぐらい)効く漢方もたくさんあります。その一方で、陰虚の薬など、半年以上かかって効果が現れるものもあります。
また、漢方薬の効果は、患者さん自身の生活改善の度合いにもよります。食事や生活を改善できる人は治りも早いですが、そこを改善出来ない人はどんなに良い薬を飲んでも、また元に戻ってしまいます。すべての病は、最終的には「自分自身で治すしかない!」ということを忘れないでください。
たまに西洋医の先生から漢方をもらって「漢方薬ってあんまり効かない」という方がいますが、それはその医師が患者さんの状態「証」を誤診している可能性が高いです。この症状にはこの漢方。という一対一対応の西洋医学的な治療とは違います。漢方を処方している医師が、きちんと「証」を考えているかどうかは、舌診や脈診・腹診などを毎回するかどうかでもある程度見分けがつきます。
漢方治療の大きな誤解の一つに、「漢方薬は副作用がないからいい」という誤解があります。漢方薬も「薬」ですから、「証」を間違えて用いれば副作用が出ます。具体的には下痢が続く、胃がもたれる。舌がヒリヒリする。身体がだるいなどいろいろあります。ただし「漢方薬では副作用が出ても、止めれば治る」ということがほとんどなので、そういった症状がある時には、医師にお問い合わせください。
[副作用のような症状 "瞑眩(めんげん)" について]
漢方薬を内服し始めると、一時的に副作用のような症状が出ることがあり、「瞑眩(めんげん)」と呼びます。この症状はその漢方が患者さんにとって良いものである好転反応であることがあります。当院における頻度はおおよそ1%程度です。
典型例では、内服直後から1週間以内にこの好転反応が出て、その後も内服を続けていると体調が改善していきます。この反応が出た場合は、その漢方薬が、からだに合っていることが多いです。ただし、1週間以上続く場合は、瞑眩ではなく副作用の可能性もあります。そのような副作用だと感じた場合は、思いあたる漢方薬をご自身の判断で中止していただき、症状の改善があった場合は、さらに1週間程度してから中止していた漢方薬を再開してみてください。それでも同じ症状が続く場合は、その漢方薬の内服を中止し、当院を再度受診していただくか、お問い合わせください。