106 温経湯*(閲覧専用ページ)
瘀血による生理痛に悩む女性や
腱鞘炎などの関節痛に用いられる
<ポイント>
① 生理に塊が見られるような瘀血の状態に用いられることが多い漢方薬。
② 特に子宮から始まる経絡である衝脈(しょうみゃく)と任脈(にんみゃく)を温めて通じさせ、月経不順や月経困難症、更年期障害などの婦人科系の不調によく用いられる。
② 冷え症で、手足がほてり、唇が乾燥しているような人に向く。
③ 血が不足すると経血が薄くなり、瘀血が存在すると経血は暗くなり、血塊が見られる。
④ 皮膚の乾燥や荒れ、あかぎれなどは「血虚」の症状で、瘀血によるシミなどの皮膚症状の改善にも用いられる。
⑤ 養血・散寒・活血の処方。呉茱萸と桂枝は温熱薬で瘀血を除去。呉茱萸は利気止痛作用を持ち、肝に帰経するため、肝経が通る下腹部の疼痛を緩和する。牡丹皮・川芎・当帰は活血薬で、牡丹皮は火照る症状(虚熱)を改善し、当帰と川芎は止痛作用を持つ。当帰・芍薬・阿膠・麦門冬は陰血を補い、月経不順や妊娠を調整する。
⑥ ただし、妊娠した場合は、駆瘀血作用があるため、妊娠がわかったら、23当帰芍薬散などに変更するのが望ましい。
⑦ 半夏・生姜は胃腸を整え、人参と甘草は補気をして血の産生を促進する。
⑧ 血虚・瘀血・気虚・気滞を改善し、乾燥・口渇なども防ぐため、バランスの良い漢方薬のため、長期服用にも適している。
⑨ 冷えや白砂糖・鎮痛薬などの長期摂取による瘀血が原因の、ばね指や腱鞘炎などの関節痛にも用いられる。
<配合生薬>
麦門冬(バクモンドウ)、 半夏(ハンゲ)、 当帰(トウキ)、 甘草(カンゾウ)、 桂皮(ケイヒ)、 芍薬(シャクヤク)、 川芎(センキュウ)、 人参(ニンジン)、 牡丹皮(ボタンピ)、呉茱萸(ゴシュユ)、 生姜(ショウキョウ)、阿膠(アキョウ)
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