「水」について:水滞(スイタイ)
東洋医学の考え方の一つに「気血水」という考え方があります。
からだ全体にある「水」を、別名「津液(シンエキ)」と呼びます。
夜になるとトイレに行く回数が減ることからもわかるように、人間のからだの水は、昼に流れて、夜に溜まるという性質があります。
水を取りすぎたり、不適切な時間帯(主に眠前2時間)に水を摂ったりすると、からだの中に余分な水分がたまる「水滞」あるいは「水毒」という状態になります(水毒は日本の言葉で中医学にはありません)。
巷では、とにかく「水をとれとれ」という人がいますが、水道設備が発達し、自動販売機やコンビニという文明を持つ現代人ほど、水分を摂る人類は、人類史上まだ存在していません。その環境にまだまだ人類のからだは追いついていないのです。
特に冷たいのみものは胃腸を弱めます。また、一日の摂取量よりも、水分を摂る時間帯の問題の方が大きいと考えてください。夕方以降は水分の摂取を控えましょう。コーヒーは南国のものなので、水滞を助長します。
この水滞は、朝の不調が特徴的で、朝の不快感・だるさ・頭痛・動悸のようなことが起こってきます。そのほか、鼻水・軟便といった症状を呈し、全身がむくみ、だるくなります。
悪いときに悪いものを欲しくなるので、口が乾いて水をさらにたくさんとりたくなってしまいます。
さらにそれが長期化すると、「痰飲(タンイン)」や「湿熱(シツネツ)」といった、脂や水が原因となる飽食の時代に特徴的な状態にまでなってしまいます。
川底に汚れが溜まってしまうような状態で、具体的には、淡や水虫(足白癬)、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎がジクジクした浸出液を伴い、おりものが増えたり、体臭が出たりします。
現代生活では、遅い食事も水滞を助長します。本来、18時には食事を済ませていたいところです。それより遅い食事になってしまう場合は、なるべく食事を控え、炭水化物をはじめとした糖質は、夜はとらない方が良いです。
遅くなってしまった場合は、とにかく早く寝ることを最優先して、朝、好きなだけ食事を摂るようにしましょう。
水滞の治療としては、自然塩の摂取をおすすめしています。自然塩は東洋医学における腎の機能を改善し、にがり成分のK, Ca, Mgが、尿量を増やして、体内に蓄積した「熱」をとってくれます。
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