山査子(サンザシ)

 

[基原]

バラ科(Rosaceae)①サンザシ Crataegus cuneata Siebold et Zuccarini または ②オオミサンザシ C. pinnatifida Bunge var. major N.E. Brown の偽果をそのまままたは縦切もしくは横切したもの

産地:①広東省、湖南省 ②河北省、山東省



[異名別名]

子(サンザシ)、山査(サンサ)、山楂(サンサ)、山樝(サンサ)、赤棗子(セキソウシ)



[選品]

大粒で充実し、鮮赤褐色(肉質はうす茶色)をあ呈するものが良い。暗色のものは不良である。



[成分]

フラボノイド、タンニン、有機酸(クラテゴール酸)など



[薬理]

山査肉:抗菌

抽出物:血管拡張、持続的な降圧、鎮痛

クラテゴール酸:胃酸分泌促進、消化促進



[効能主治]

性味:酸甘、微温
帰経:脾、胃、肝
効能:食積を消す、瘀血を除く、条虫を駆除する
主治:肉積、癥瘕(チョウカ)、痰飲、みぞおちの膨満感、胃酸過多、下痢、腸風、腰痛、疝気(センキ)、産後の瘀血による腹痛、後産の下りきらないもの、小児消化不良



[引用文献]

本草綱目:飲食を化す、肉積を消す、癥瘕、痰飲、痞満(ヒマン)、呑酸(ドンサン)、滞血痛脹(タイケツツウチョウ)を治す(山樝の項の実の部分)



◯現代における運用のポイント◯

消化促進作用

飲食停滞に用い消化を促す。特に肉類の食滞にはよく効く

駆瘀血作用
打ち身や産後の瘀血による腹痛に用い、瘀血を除き鎮痛をはかる

 


[配合処方]

烏苓通気散、化食養脾湯、加味平胃散、啓脾湯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献:「漢方294処方生薬解説」(じほう)