合歓皮(ゴウカンヒ)
[処方用名]
合歓皮
[基原]
マメ科 Leguminosae のネムノキ Albizzia julibrissin Durazz. の樹皮。
[性味]
甘、平
[帰経]
心、脾、肺
[効能と応用]
①安神解鬱
心神不寧・気鬱による憂鬱感・怒り・不眠・不安・焦燥などの症候に、単味であるいは柏子仁・竜歯・琥珀・白芍などを用いる。
②活血消腫・止痛生肌
肺癰(肺化膿症)の咳癰・胸痛・膿性痰に、単味であるいは白蘞・魚腥草・冬瓜子などと用いる。
打撲捻挫の皮下出血には、当帰・赤芍・川芎・桃仁などと使用する。骨折に、白芥子との粉末を黄酒で調整して湿布してもよい。
【臨床使用の要点】
合歓皮は甘平で、解鬱安神に働き、心神不安・憂鬱失眠に適する。また、活血消腫・止痛生肌の効能をもち、肺癰唾濁・筋骨折傷にも有効で、外科の要薬でもある。
[参考]
合歓皮・合歓花は効能がほぼ同じで、合歓花は理気解鬱・和中開胃にすぐれている。両者とも緩和で薬力が弱いので、大量を長時間服用しなければ効果があらわれない。
参考文献:「[新装版]中医臨床のための中薬学」(東洋学術出版社)