43 六君子湯(リックンシトウ)
「虚証」の人に使われる代表的な胃腸薬
食欲不振や胃もたれなど現代人の胃腸の不調に
<ポイント>
①体力が中程度以下の「虚証(キョショウ)」の人の胃腸薬として処方されます。
胃腸の働きをよくする「四君子湯(シクンシトウ)」に、胃の中の「水(スイ)」※の停滞を改善する「二陳湯(ニチントウ)」を加え、消化器系の機能を高める処方になっています。
②薬に含まれる「人参」「半夏」「茯苓」「朮」「陳皮」「甘草」の6つの生薬を6人の君子に見立てて、「六君子湯」という名前がついたといわれています。
③やせ型で顔色が悪く、冷えやすく、みぞおちのつかえ、全身倦怠感のある人の食欲不振、胃もたれ、胃痛、嘔吐などが処方の目安とされています。
④胃下垂、消化不良などにも用いられます。
※「気・血・水」は、不調の原因を探るためのものさしです。 漢方では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることによって、健康が維持されていて、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。
「水(スイ)」:血液以外の体液全般に相当し、水分代謝や免疫システムなどに係わっているものとされています。
<配合生薬>
人参(ニンジン)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、半夏(ハンゲ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、 生姜(ショウキョウ)