111 清心連子飲(セイシンレンシイン)

心火を冷まして、不眠・不安とともに

残尿感、頻尿、排尿痛などの排尿異常を治す。

 

<ポイント>

 

① 心の火が少なく(虚火)、陰の抑制を離れて上昇し(心腎不交)、心の蔵神機能が乱れて、心煩(しんぱん:胸のあたりがもやもやして不快で落ち着かない状態)・不眠・多夢を惹き起こすのを治療する。

 

② 心は小腸と表裏関係にあり、心火が亢進して小腸にまで熱が移行すると、小腸の「泌別清濁(ひつべつせいだく:清濁を分別する)機能が乱れ、尿が濁るなどの症状があらわれる。

 

③ これらの熱によって、頻尿と排尿痛が起こっているものを治療する。

 

④ 主薬の蓮子肉は収斂薬で、尿濁・帯下・遺精などの症状を治療し、清心火・安神作用を持つ。黄芩・地骨皮とともに清熱作用を示し、陰虚火旺を改善する。

 

⑤ 人参・黄耆・甘草は扶正薬で、気虚による倦怠感を改善する。口内炎にも効果的。

 

<配合生薬>

麦門冬(バクモンドウ)、 茯苓(ブクリョウ)、 黄芩(オウゴン)、 車前子(シャゼンシ)、人参(ニンジン)、 黄耆(オウギ)、甘草(カンゾウ)、蓮肉(レンニク)、地骨皮(ジコッピ)